クリエイティブ業界の未来・実態・就職事情
広告は消費者の購買意欲を刺激し、また映画やアニメ、音楽、ゲーム、書籍等のクリエイティブな作品も商品として市場に流通することで、経済の発展に貢献します。いずれもプランニングやデザインなどが深く関与する分野でもあり、それらの産業が低迷すれば社会全体の消費活動が鈍り、経済成長も足を止めてしまうことになりかねません。日本経済にとってクリエイティブ産業はなくてはならないもの。景気の影響で多少の減少が見られる年もありますが、長期的な視野では安定した成長産業と言えます。

リーマンショック以降、低迷状態にある日本経済ですが、広告費は微増ながら全体的に伸長。特に、インターネット広告の急伸長は目を見張るものがあります。今後、景気が回復すれば、さらなる広告市場の成長・発展が見込まれます。

インターネット広告費の推移

出典:電通「2012年日本の広告費」

クリエイティブ産業の市場規模は、自動車産業や医療福祉業には及ばないものの、食産業や鉄鋼業などを上回っており、日本経済の中で重要なポジションにあることがわかります。

出典:経済産業省「平成23年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業」(クリエイティブ産業に係る知的財産権等の侵害実態調査及び創作環境等の整備のための調査)に基づき、独自に算出

広告業界の平均年収は、一般会社員の平均年収並です。ただし、経験を積みステップアップすることでより高い報酬を受けることが期待でき、中には年収4000万円の会社員クリエイターもいます。また、男性と女性の格差が少ない傾向があり、女性も実力次第で高いポジションと年収が望める業界と言えます。

新卒エントリー数について、一般的にはプレエントリー約100社、本エントリーが約40社と言われています。それに対し、クリエイティブ業界ではプレエントリー約15社、本エントリーが7〜8社(OAC調べ)と自ずと競争率は低く、就職活動は他の業界よりも楽であることがわかります。

日本のコンテンツ産業は、「クールジャパン」として海外からも高く評価されています。経済産業省も我が国の主要な成長分野としてとらえ、いまや国家戦略の一つにさえ位置づけています。その市場規模は約12兆円で米国に次ぐ世界第2位。2020年には20兆円市場まで成長することが見込まれています。

技術の進展とともに、人の技能でこなしていたことがコンピュータに代わるケースが増えていきます。そんな中、クリエイティブの仕事は「手に職を持つことができる職業」です。転職しても年収は同等か下がってしまう職種もありますが、クリエイティブ系の仕事は大幅にアップ。スキルを磨けばキャリアアップしていくことも期待できます。

【職種別】転職後の年収アップ率

算出:転職サービスDODA「ホンネの転職白書」(少数点2桁以下切捨)
25〜39歳(約1万人)2013年の転職者調査

現在の職業について、25〜39歳のビジネスパーソン1000人に、給与・就業環境・仕事内容の満足度を点数(100点満点)で回答してもらったところ、総合的にもっとも満足度が高かったのが「メディア/広告」。やりがいのある仕事に就いて、毎日をいきいきと過ごしたい人には最適な業界と言えます。

従業員満足度ランキング(業種別)

出典:転職サービスDODA「ホンネの転職白書」 2012年度調査

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