THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
NEWS! イベント&セミナー情報
■「第6回知的財産権セミナー」

日時 2007年9月20日(木)14時〜16時
会場 グランドアーク半蔵門(東京)

OAC会員社および一般向けの知的財産権セミナーが開催されました。本年度で第6回を迎え、OAC主催のイベントとして定着してきた感があります。参加者は、OAC会員社(賛助会員含む)35社71名、一般15社18名、合計89名にのぼりました。例年に比べ、一般からの参加が目立っており、本セミナーの存在意義も深まりつつあるといえます。
 
■著作物として認められるレベルは?
 
 セミナーは知財権部会の田村委員の司会のもと、鈴木担当常務理事の開会挨拶に続いて、講演が始まりました。本年度は講師に、著作権問題に精通した弁護士である福井健作氏を迎え、「どのレベルなら自由に使えるか」といった趣旨に沿って、お話は進められました。福井氏ご自身の手によるレジュメを配付していたため、参加者は集中してスピーチに聞き入ることができたようです。
まずは著作物の範囲を明確にするために、福井氏は「創作的」というキーワードを示し、表現に創作度が多少でもあれば著作物であるという観点から、逆に著作物ではないケースを次々に列挙。同時に判例をもとに、著作物か否かのボーダーラインを解説していただきました。料理のレシピ、標語などの短い文章、二次的著作物(著作物を使った著作物)、ネットの書き込みの書籍化等々、参加者はそれぞれ、身に覚えがあるような話になると、うなずきながらメモを取っていました。

■どこに注意すれば使えるか?
講演は50分ほどでいったん休憩をはさみ、後半に移りました。ここでは、著作物を使う際の注意や自由に使える例についてのお話が中心です。会員社が属する業界で、昨今増えつつある業務委託契約書での権利項目について、発注者と受注者で認識にずれが見受けられるという福井氏の経験談には、多くの参加者が関心を寄せていました。投稿やキャンペーンの募集作品、発注したイラストの改変、非営利のイベントでの使用等、いずれも福井氏の経験をもとに、具体的な留意点が示されました。その他、著作物の無断引用が可能な方法や、期限切れ著作物を使用する際の注意点などを、わかりやすく整理して話されました。
講演の後半最後の質疑時間では活発な応答があり、セミナーの充実度がうかがえました。前後半合わせて約100分の講演のあと、OAC知財権部会の福田部会長による、福井氏と参加者ヘの御礼をもって、「第6回知的財産権セミナー」は閉会しました。このあと参加者へは、福井氏の著書「著作権とは何か(集英社新書)」が無料配布され、最後まで盛況感に満ちたセミナーでした。

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