THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告協会
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■インターネットビジネスワークショップ「第3回Webビズ研」

日 時 2010年2月25日(木)17時〜19時30分
会 場 モリサワ東京本社
主 催 OAC特別ミッション部会<インターネット委員会>
協 力 エプソン販売(株)、(株)デジタルスケープ、(株)Too、(株)モリサワ
参加数 18社・30名(講師1名含)

第3回「Webビズ研」は、会員者17社23名(ディスカッション参者6名、聴講参加23名)が参加し開催されました。

■第1部:次田氏の講演
パナソニック(株)コーポレートブランドプランニング室Web推進チームの次田寿夫氏をゲストスピーカーとして迎え、「トリプルメディアの時代 日本の広告産業は崩壊する?」と題して講演いただきました。
「ソーシャルメディアが台頭した今、広告は変えていかなければならない。クライアントも制作会社も、変わらなければならない。未だマスメディア依存型の企業が多く、変化が求められている。パナソニックは、オリンピックのグローバルスポンサーとなって会場で3Dモニターを展示し、Twitterでお客様の情報を吹き込み、世界中からの情報を集め、サイトでお客様の感動の声を伝えた。制作者がいくら3Dの凄さを言おうとしても、ユーザーには伝わらない。お客様の生の声を伝えることの方が有効である。 もうひとつの実例は、世界中からエコアイデアを集めるサイト。主役はあくまでユーザーで、パナソニックは前面には出ず、スポンサーという立場をとっている。
また、これからはトリプルメディア(1.マスメディア、2.ソーシャルメディア、3.自社メディア)・トリプルスクリーンを駆使することが必要である。
主導権は企業から生活者へと変化し、大きなうねり(グランズウェル)の時期を迎えている。費用が高く効果がはっきりしない広告より、戦略PRやソーシャルメディアマーケティングを重視すべき時代だ。日本は世界に遅れをとっている、と感じる。PR会社では、ノウハウを持った人物がこれまで通りの広告を作り続け、上と下だけが変わらなければと感じている。
インターネットビジネスワークショップ「第3回Webビズ研」
次田寿夫氏
インターネットビジネスワークショップ「第3回Webビズ研」
梅本剛氏
ソーシャルメディアとオウンメディアは両方とも必要であり、会社案内のサイト・テーマを持ったサイト・ファンサイト、それぞれメリハリをつけて制作するべきである。広告産業がなくなることはないが、縮小し役割分担が変わり、これまでのようにはいかない。マスメディア以前にあった“個人 対 個人”は、最強のコミュニケーションであった。そして今再び“個人 対 個人”のコミュニケーションがWebで展開を始めている。
企業が用意すべき情報は、1.信頼できる個人の見解情報、2.企業自身が発信する公式見解情報 、3.すばらしいエンターテイメント(新・広告)である。また、諜報するチームは専門家(世界に通用するクリエイティビティ)と異なるコミュニケーション設計に、フレキシブルに対応する力の両面をもつチームであるべきである。」
以上、次田氏より変わりゆく時代の中、Web広告に求められている制作の立場はいかにあるべきかを正される講演でした。

■第2部
ディスカッション参加者の円卓に第1部で講演をいただいた、パナソニック(株)の次田寿夫氏、また(株)インプレスビジネスメディアの「Web担当者Forum」編集長・安田英久氏がディスカッションに加わり、第2部のディスカッションがスタート。熱い意見の交換が行われました。
まずは、司会進行の梅本氏から今回のディスカッションのテーマについて説明。事前のアンケートでクライアントが取引を継続する理由について公表されました。

●クライアントが取引を継続する理由について
1.納期スピード・迅速さ 2.理解力・コミュニケーション力 3.企業力・提案力 4.クオリティ 5.クリエイティブ力、という順位。また、下記のような意見もありました。
  • クリエイティブ力も必要だが最終的には人で結ばれる。
  • ほとんど人との縁。人で選ぶ。この仕事はあの人、と決めている。
  • 人は後からついてくるもので、まずは企業と企業の関係性から。人に属さないでやっている。企業として何ができるかが問題。
  • 専門家だけでなく、マネージメント力も両方必要である。
  • 企業と企業の関係だけでは崩れる可能性もある。何が起こるかわからず、時代は変化している。

●クライアントが不満に思うことについて
1.要望・期待 2.不満 3.不足
  • いつも提案に力いれてクオリティが低くなり、納期・クオリティ・コストに不満を抱かれていると感じる。
  • すべて当てはまるし、不満不足はでてこない。こうした方がいいという意見がでてくる。
  • 発注側としてはきちんと要求したのに答えられないと怒るケースはある。
  • クライアントと制作会社の関係を例えれば、男と女の関係と同じで、本当は一緒にいたいけどできないジレンマと同じような場合も多い。
  • 結婚すれば(企業同士で深い関係になれば)文句をぶつけ合い、お互い成長していく。いろいろな会社を選択していく場合とどちらがいいか一概に言えない。

●今後のテーマについて。一番気になっていることは
  • やっぱりコミュニケーション。
  • ソーシャルメディアをどう生かすか。
  • エンターメントを考えたい。
  • 出会いが難しい。理想の人(企業、チーム)と出会えるためにどうするか。

など、終了予定時間まで積極的な発言が繰り広げられました。
今回のディスカッションでは、クライアントと制作会社の関係について何が大切であるか、どう考えているか、生の声を聞くことができた貴重な情報交換の場となりました。

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