THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
NEWS! イベント&セミナー情報
■ 第5回「クリセン」開催のご報告

【第5回】クリエイティブ・ワークショップ「クリセン」
「クリエイティブから、コミュニケーションデザインへ。」
「いまクリエイターに求められるコミュニケーションの設計スキル」
講 師 (株)電通テック 長竹 直哉氏
日 時 2011年11月26日(土) 14 : 00 〜 17 : 00
参加者 13名
*制作会社 社員 12名
*学生 1名
男女構成 女性3名、男性10名


まず手掛けた事例を紹介されたのち、今日の本題へ。コミュニケーションデザインの定義は様々かもしれませんが今日の講義では、

「企業が消費者に向けてメッセージを発信する際、最大効果を得られるようにメディアや情報内容、タイミングなど全体の構成を考えて設計すること。」

と考え、クライアントの課題を解決するために、
1. どんなターゲットに
2. どのタイミングで
3. どんなメディアを使って
4. どんなメッセージを
5. どのように届け
6. どう成果を上げるか。


という一連の流れをシームレスに考え、最適化させていくこと。

また広告の効果を求められてきており、伝えたいことが伝わるなら別に広告である必要はない。結果をクライアントは求めている。


「伝える広告」から「動かすキャンペーンへ」。

さて、コミュニケーションデザインをするために意識すべきことは・・・

(1)「マーケティング」に関心を持つ。
(2)「経営」に関心を持つ。
(3)「メディア」「コンタクトポイント」に
関心を持つ
(4)「予算」に関心を持つ。
(5)「実行力」


今日の課題

大手家電メーカのドラム式洗濯乾燥機「スマートウォッシュ」は発売から1年たっている主力ブランド。発売当時は業界初の機能もあって順調だったが、後発メーカーも出てきて、徐々にシェアが落ちている。またライバル社はこの牙城を崩すため、CMを大量出稿し積極的な攻勢をかけてきている。今回ライバル社に対抗しうるだけのCMを出稿する予算はない。また次世代型ドラム式乾燥機に移行していくことも考え、出来るだけ在庫を減らして売りきりたいとは考えている。



何かよい提案を!

さあ、考えよう。



さて、発表。
1チーム目は、

消費者は機能よりも価格重視。
残り1年間で売り切ることを想定。
若い女性がお母さんのために買い替えを提案し、プレゼントできるように。

2チーム目は、

新生活を迎える層をターゲットに、引っ越し時を狙い、不動産会社(仲介会社)と提携し、新居にスマートウオッシュが備えられているとか、郊外型店舗での実演販売促進などを展開。

3チーム目は、

大型トラックの荷台部を改良し、実演デモを敢行していく。韓流スターの卵を起用してその場で服を脱いで洗濯。

等々の案が出ました。

長竹さんから一例として出てきた考え方は...。

白一辺倒ではなく、個性的でおしゃれな洗濯機を使いたい主婦も多いはず。 そこで「お気に入りの洗濯機は家事の負担を心理的にラクにするのでは」 というインサイトの仮説のもと、例えば、ファッションブランドとの コラボなどで限定モデルを展開してはどうか、という意見が出されました。 (長竹さんは、土屋アンナさんがおしゃれな洗濯機を使っていた アクロンのCMの反応から、このインサイトに至ったそうです) さらにはバイラルを拡げる手段として、ターゲットと親和性の高い ファッション誌編集部とのタイアップなども提示されました。
大切なのはアウトプットを導くまでの考え方。

さて次は「戦略PR」について。
パブリック・リレーションズとは


「組織とそれを取り巻く人々・集団との関係を円滑にし、お互いが信頼できる関係をつくり、維持する考え方であり、技術。」

猪狩誠也氏(元日本広報学会副会長)

PRが最近もてはやされてきたのは、
(1) 信頼性を得やすい
(2) ムーブメントを醸成しやすい
(3) 予算がリーズナブルに済む

戦略PRの重要なポイントとは
(1) 生活者が興味を持つニュースをどう創るか
(自分ゴト化が重要)
生活者の関心を最大限に誘発するため、事前に土壌をつくる活動(いわばタネまき)






(2) メディアが興味を持つ文脈をどう創るか
(メディアインサイトが重要)
多くの生活者に情報が行き渡るよう、 メディアを巻き込みムーブメントや世論をつくる活動

○ニュースを生み出す仕掛けづくりのための
6つの戦略視点(IMPAKT)。

1. I nverse … 逆説、対立構造
2. M ost … 最上級、初、独自
3. P ublic … 社会性、地域性
4. A ctor /Actress… 役者、人情
5. K eyword … キーワード、数字
6. T rend … 時流、世相、季節性

と、講義がありまたまた課題です。

PR担当者となって、太陽光発電繊維のPRを考える。この製品は取り込んだ太陽エネルギーで暖まり、また携帯電話や電子機器の充電も可能。マスコミ発表はまだ行っていない。
また各チームで話し合い。あるチームは小林幸子に来てもらい話題性を喚起する、またあるチームはビジネス系番組に取り上げられるよう仕掛ける、等々の意見が。

長竹さんの回答例では、
(1) 特定新聞社等への情報の提供・記事化
(2) プレスリリースの配信
(3) 記者発表会・ファッションショーの開催
(4) 時流や季節ネタからのニュース化
皆さん、感覚的にではなく考えて案を出していました。

最後に長竹さんより、
クリエイターは(もっと)創造的になれる。

と言うメッセージをいただいて本日は終了しました。

そしてささやかに懇親会。


第5回「クリセン」アンケート集計

→第5回「クリセン」アンケート集計 [PDF]

   
copyright(c)OAC.All rights reserved.