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■わざラボ第2回【紙を感じる】実施レポート
 

日時:2012年9月21日(金)
場所:日清紡ペーパープロダクツ 富士事業所・柿田川公園
参加者:9名+5名(スタッフ)=14名
協力:株式会社竹尾

第2回目【紙を感じる】では富士市にある日清紡ペーパープロダクツ富士事業所を訪問しました。早朝に神田神保町に集合して観光バスで出発しました。天気もよく、高速も渋滞なく順調に午前11時には静岡県清水町の柿田川公園に到着しました。柿田川は全長が1,200メートルしかない日本一短い一級河川ですが、ここの水源地には富士山の雪解け水がおよそ10年の歳月を経て湧き出る湧水群があり、湧水量は一日に約100万トンで東洋一といわれています。この豊富な涌水が柿田川の水源になっていることが分かります。


この辺りから富士市にかけては、日本の製紙工場が集積していることで有名ですが、まさにこの豊富な湧き水を利用して紙が作られている事を実感することができました。
柿田川公園を散策した後、公園内のレストランで昼食を取り、富士市の日清紡ペーパープロダクツ富士事業所さんへ向かいました。

ここ富士市は駿河湾の最奥に位置し、北には富士山が、西には日本三大急流の一つである富士川が流れ、明治期からは製紙の街として栄えました。現在も日本の大手製紙会社の主力工場が数多く操業しています。また富士市は江戸時代に東海道の吉原宿として栄えたところで、日清紡さんの工場横には旧東海道が通り『左富士』という名所がありあります。吉原宿は二度も津波にさらわれ、その度に場所を内陸部に移動したため、東海道筋が富士川を前にして北へ蛇行するために、右手に見えていた富士山がここだけ左に見えるというので安東広重の浮世絵にもなった有名な場所です。

日清紡ペーパープロダクツさんに到着後、会議室で工場の概要を説明して頂きました。「ファインペーパー」とは、一般の印刷用紙の中でも特に独特のテクスチャーや色数、紙自体が持つ風合いなどを最大限に活かして作られる紙をそう呼ぶそうです。また用途としては、本の表紙や見返しなどの出版物やポスターやカレンダー、カタログなどの商業印刷、封筒や便箋などの紙製品、製品パッケージなどに使われています。
その後、二班に分かれてファインペーパーの製造工程の見学と、紙すき体験をしました。工場内は機密保持のために撮影不可でしたが、原料となるパルプ原料をドロドロに溶解して、染料で着色し巨大な抄紙機(製紙業界では小型の機械だそうですが)で薄くロール状に抄紙していく行程や、表面をきらきらに加工する行程を、機械のすぐそばまで近寄って見る事ができました。また製紙後の工業廃水をきれいに処理するシステムも万全で、環境対策にも重点をおいておられる事も知ることができました。近くの田子ノ浦は、万葉の歌にも詠まれた風光明媚な景勝地でしたが、高度成長期には工場から排出されるヘドロで公害問題にもなっていました。今はこういった環境対策のおかげで、昔のようなきれいな海に戻る事が出来たようです。
見学のあとの紙すき体験は、日清紡さんの研究開発室ですでに水に溶かした何色ものパルプを配合して、小さな紙すき機の水の中に入れて撹拌し、一気に水を抜くと網に混ぜ合わせたパルプが残る構造になっていました。それを取り出して乾かすと、ちょっと色合いは荒めですがオリジナルの紙が出来上り。そして紙の表面にきらきらとした塗布物を均等に塗布する体験もできました。

今回の製紙工場見学では、普段何気なく目にしたり手にしている書籍や、仕事で関わっている印刷用紙の原点を色々な観点から見ることができました。これを機に、仕事で紙を選ぶ心構えも変わる事でしょう。またITの進化の過程では、ペーパーレスが叫ばれて久しいですが、まだまだ「紙」の可能性がこれからも私たちの暮らしを支えていくだろうと実感しました。

日清紡ペーパープロダクツのみなさま、どうもありがとうございました。

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