THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
NEWS! イベント&セミナー情報
■2013 Webビズ研 開催報告

「ターゲットに効くWEBコミュニケーション広告プロモーションを考える講座」
――マルチデバイス化時代に企業がすべきこと――
〜スマートフォン普及が企業のデジタルコミュニケーションに与える影響を考える〜
日 時 2013年9月13日(金)17:00〜19:00
会 場 株式会社モリサワ
講 師 株式会社電通
コミュニケーション・デザイン・センター
次世代コミュニケーション開発部
事業開発ディレクター 森 直樹 氏
主 催 公益社団法人 日本広告制作協会(OAC)
協 力 株式会社モリサワ、株式会社Too
今回は、スマートフォンやタブレットなど多様なデバイスを「企業やブランド」と「ユーザー」が接点を持つ機会と捉え、ユーザーエクスペリエンスに柔軟に対応し、顧客満足を高めるためのアプローチについて事例を交えながら、電通の森直樹氏に講演いただいた。

OAC木下理事の挨拶の後、森氏のセミナーが始まった。概略は以下の通り。


今、起きていること


冒頭に「今起きていること」と題して現在のスマートフォンのポジションを、事例を交えて紹介いただいた。

●すでに、スマフォが特別なデバイス/コミュニケーション手段と考えるのはおかしい。だが、クリエイティブをデザインする側は、テクノロジーを熟知しておく必要がある。

●コンシューマエレクトロニクスショー(デジタル家電のショー)CES2013においてスマートTVからモバイルに主役が替わったことを強烈に感じた。またテクノロジーの理解が無いと提案ができない時代となっている。米国の企業では、CEOレベルでテクノロジーの議論をしているところもある。

●米クアルコム社のCPU(プロセッサー)メーカーが多くのスマートフォンなどに実装されている。またこの会社が提供する開発環境上でネイティブアプリが作れるようになることが重要である。
●米国ハンバーガーチェーン店の例として、対面よりもタブレット注文の方が客単価が高いという結果に。おそらく「多く注文しても恥ずかしくないから・・」という意識からだと思われるが、一つの考えさせられるおもしろい事例である。

●日本のスマフォ市場占有率は36.8%だが、デジタルコミュニケーションのモチベーション高いユーザーから移行しているため、この層が一番重要である。

●人々はスマフォに変えて検索や閲覧が増えたのでは。また逆にPCでのWEB閲覧は減っているのでは。今後、動画もスマフォが中心になってゆくと思われる。また、広告もモバイルが一番伸びていることも受けて全ての主役がスマフォを中心とするモバイル系に移行しつつある。

●人々はスマフォに変えて検索や閲覧が増えたのでは。また逆にPCでのWEB閲覧は減っているのでは。今後、動画もスマフォが中心になってゆくと思われる。また、広告もモバイルが一番伸びていることも受けて全ての主役がスマフォを中心とするモバイル系に移行しつつある。

パフォーマンス
スマフォに対して、軽快性と直感性のあるデザインを求める傾向が強い。重いサイト(ファイルサイズの大きいサイト)はユーザーに優しくない。 「パフォーマンスが何故重要か?」というテーマで、amazonの事例を紹介した。
●amazonが利用している米国KeyNoteシステムズという会社がスマフォのパフォーマンス測定をしている。

●amazonは、スマフォサイトにおいて、1P=100KB以内に設計されている。これは、1P=15秒以内に表示が完了するように考えられている。1Pの容量が大きくなると、指数関数的にドロップアウトが起き、快適な表示が実現できない。

●またゴメス社は2秒以内を理想としている。時間がかかると離脱があがる統計が存在する。
事例紹介
森氏がプロデューサーとして制作したANAの予約のスマフォアプリの開発についての話をしていただいた。


●プロジェクトの役割としては、Strategy(コンサルタント、ストラテジックプランナー)、Design&Prototyping(アートディレクター、クリエイティブテクノロジスト)、Implementation(デザイナー)、Project Manager & Consultantなどのスタッフィングで行った。

●当初は、市場調査(評判、競合の調査)から始まり、戦略顧客の選定を行った。誰に一番使って欲しいか?=スマフォを使いこなすFrequent Flyer(飛行機をよく利用する人)として設計に入る。

●設計の手順としては、UI/UXの設計、デザインスケッチ、プロトタイピング、ワイヤー制作、コーディング用デザインという形で。プロトタイピングは最近ではJSなどプロトタイプツールが充実しているため比較的簡単に作成できる。

●企画書としては、目的、リサーチ結果、ストラテジー、戦略顧客、課題や目標、・・・などの流れで作成。

●制作する上で重要視したことは、Fast & Slowという脳の機能を意識したこと。つまり、トップページは素早く順次に理解できるように、逆に予約のページなどは考える時間を必要とするためゆっくりと理解できるように心がけた。

●インフォメーションは更新の領域を設けてCMSで対応した。

●導線設計においては、クリックというアクションだけでなく、認知というもう1つの動作を考慮して行った。


制作者にとって重要なこと
●コンテンツを積み重ねてゆくよりも削ることも重要である。「捨てることで利益最大化を狙う」という考え方。

●効果測定、アクセス解析は非常に重要である。

●スマフォ制作はコラボレーションで作るものである。また、いくつかのサービスを組み合わせてマッシュアップしてゆくことも意識した。全て自前で作らずに餅は餅屋にという考え方が重要である。

●レスポンシブWEBデザインは、表示パフォーマンスという意味で、KeyNote社は否定的である。ただ、Googleは検索エンジンへの対応という観点で推している。

●ガートナー社が発表しているHype Cycle Technologyを見て、今後のテクノロジーをおさえておくことも重要である。

●NTTドコモのアニュアルレポートに将来の通信インフラが想像できるヒントがある。通信会社が出しているものなのできわめて現実的な情報である。このあたりもおさせておきたい。

森氏からの話は実際の現場で経験したことに基づくものであり、参加者にとって非常に有用な情報となった模様である。また情報の収集能力に長けた森氏からの今後考えてゆかなければならない事項もとても説得力があった。

以上。



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