開催報告

第2回「想いを伝えるカードデザイン大賞」
展示・贈賞式

  • 開催日2018年9月29日(土)11時~17時30分
  • 会 場3331アーツ千代田 1Fコミュニティスペース

台風24号がどんな進路で、いつ頃東京を通過するか。そんな心配もありましたが、土曜日は雨ではありましたが、まだ台風は来ていません。そんな中、スタッフは10時に集合し展示作業。11時からの展示に備えます。
※東京は翌30日(日)の夜遅くに大荒れとなりました。JRでは初めての計画運休も実施しました。

  • 今回展示したのは207点の応募作の中から、厳選した80作品。
    青森、岩手、京都、鳥取と様々な地域から、様々な「想い」をご応募いただきました。

  • お昼を過ぎて、観覧する人も増えてきました。


    皆さん、手に取ってメッセージを読んだり、写真を撮ったり、いろんな想いをじっくりと感じとっているようです。

トークイベント

  • そして、15時15分からは今回審査を行っていただいた、アートディレクターのカイシトモヤさん、小玉文さん、そして歌人の木下龍也さんのトークイベントです。

  • 審査会で気になった作品について、審査員の方それぞれにコメントをいただきました。

    「この作品は亡くなったお父さんが、他人の荒れ地まで開墾してお花畑をつくっていたのは、母に褒めてもらいたい一心だったのかなってお話しで、7回忌の法要で来ていただいた方とそんなお話ができたらとつくった作品。
    絵本のようで、しかも言葉はどこにもない。でも、ストーリーを感じるんですね。言葉がなくても感動させられる。 これって、いままで言葉に頼りすぎていたかなって、仕事の在り方を見直す機会にもなりました」
    (カイシトモヤさん)

  • こちらは逆にメッセージ量が多い作品です。看護師を目指している友達が辛い時に元気になってもらえるようにつくったもの。

    「空に向かって伸びる朝顔みたいに頑張る友達に対するメッセージを、タテの構図でうまく決めています。デザインの勉強をしている学生さんかな。表現の仕方がうまいと思いました」
    (小玉 文さん)

    「この作品もそうなんですが、今回の応募作品を観るとみんな善い人だなぁ、善い人がつくってるんだなぁ、そんな印象を持ちました。歌人はひねくれた部分もあって、あらためて善い人が多いことに驚いたりもしています」
    (木下龍也さん)

  • 全てはご紹介できませんが、御三方のユニークで、なるほど!と思わせる視点に会場も沸いていました。
    受賞した学生さんからは、どうやって就活をすれば・・・?という質問にも「まず何が自分が好きなのか。装丁、それならば、自分で気になった本の装丁を見つけたら、その装丁をした人のことを調べてみる。装丁をする方は、個人事務所的なところが多いので、募集をしていないかもしれない。でも、何かしらの手段を使って連絡を取ってみるのも良いかもしれない」そんなアドバイスまで、もらっていました。

贈賞式

  • 審査員 カイシトモヤ賞 太田 芙有さん
    「作品名:21歳の誕生日おめでとう」

    「この作品はピッチャーが彼で、守備は全員私で声掛けて応援。守備が全員私って、ある意味圧迫感があってすごいよね。想いがすごい。彼は引いてない?大丈夫?え、彼来てるの!?ごめん!(と、彼に質問し、どんな感じ?すると彼は、「すごく想ってもらってます」と応えてくれました)良かった!球場を模した箱庭仕立てのカードに様々なアイデアが練りこまれていて、サブスコアボードのHBD(Happy Birth Day)などは気づけばニヤリとさせてくれる仕掛けです。ずっと眺めていても飽きない愛のあるこの世界に、賞を送ります。おめでとうございます」

  • 審査員 小玉 文賞 若生 七星さん
    「作品名:冷蔵庫から愛を込めて!」

    「肉、魚、野菜のユニークなキャラクターの表情と、ひざ立ちしたハイヒール姿がコミカルで面白く、個人賞ならこの作品!と、思いました。ただ、キャラクターがちゃんとひざ立ちしてくれないのは少し残念。ぜひ今後改善してくださいね。メッセージは後ろ姿のパンツに書かれていて、のぞかないとわからないのも妙にセクシー。その点も好きです。おめでとうございます」

  • 審査員 木下龍也賞 杉田 恵奈さん
    「作品名:卒業おめでとう」

    「さっきから言ってますけど、善い人でなければ、猫の里親なんてできません。それをユーモラスに表現していますよね。毛玉幼稚園でネコの名前がふとまき。そして本当の家族が決まったときのために、命名カードを用意しているのは素晴らしいと思います。猫にあらたな名前を与えるとき、里親は、あらためて責任を自覚し、あらたな愛情が生まれるですね。この作品はひとつの命を守り、つなぐためのバトンだと思います。おめでとうございます」

  • 協賛企業 コーセー賞 米田菜々翔さん
    「作品名:産んでくれてありがとう」

    「受賞おめでとうございます。会場に伺えず申し訳ありません。米田さんの今回の作品は、お母さんへの愛を感じます。押し広げないと見えないような紙のおくまで模様の花を配置したり、全体としてのつくりはシンプルながらも、工程の手間を感じとることができました。雪肌精は母娘に受け継がれるようなブランドを目指していることもあり、母娘愛をもっとも感じた作品として選ばせていただきました。コーセー宣伝部一同より」

  • 協賛企業 ぐるなび賞 福永 純子さん
    「作品名:天国でも楽しんでます。たぶん」

    福永さんは本日、欠席です。
    ぐるなびさんからのコメントは以下のとおりです。

  • 「この作品は、法要における素敵な企画だと思います。 この手紙があることで、法要にご参集頂いた方々が、故人に思いを馳せることができ、さらに、食材の表現が、故人の人となりに、豊かさを加えています。
    もし自分の死後、息子や孫が、このようなことをしてもらえたら幸せだろうなと想い、少し涙も、こぼれました。
    法要での手紙のあり方と食の素敵な表現が企画として素晴らしかったため、「ぐるなび賞」とさせていただきました。おめでとうございます」

  • OAC理事長賞 戸島 双葉さん
    「作品名:お母さんありがとう」

    「お母さんと手作りのお弁当。イラストのタッチのやさしさ、そしてあたたかさからは、毎日のお弁当に込められていたお母さんへの想いと、感謝の気持ちの両方が伝わってきます。このカード受け取って、二人だけで共有している“想い出”のイラストを見たときお母さんは、きっと嬉しいだろうなと思いました。食事は、あらためて作る人と食べる人を“愛”で繋いでいるのだなあと、ほのぼのと思い知らされました。おめでとうございます」

  • OAC特別賞 パーシャル麗花ジュエルさん
    「作品名:結婚記念日 日本人の母とアメリカ人の父へ」

    「永遠の愛をテーマの根底に置きながら、それを切り取る視点は今この瞬間で、表現は現在進行形の未完成の愛となっている。絆を象徴する赤い糸が、ハートマークに紡がれていくモチーフは象徴的であり、多くが過去もしくは現在を表現しているカードデザインの中では、異色ともいえる“未来”をメッセージしている。日英のテキストとのレイアウトもバランスがとれ、完成度の高さが際立ちました。おめでとうございます」

  • 大賞 木野田 博彦さん
    「作品名:母への思い出メッセージ」

    「メッセージカードを審査するということがいかに大変かと思い知らされました。送る人ともらう人の数だけの価値観が含まれているからです。今回は、広告やポスターなどを見るデザイナー的な評価軸はいったん捨て去り、シンプルに心を奪われたものを選びました。この作品は描かれた絵や仕掛けに嫌味やあざとさがなく、作者の母親へのひたむきな想いが、一編の絵本のように紡がれ、目を閉じれば二人の姿が浮かび上がってくるようでした。おめでとうございます」

  • 贈賞式最後は、審査員の皆さんの総評をいただき、続いて今日この場にお越しくださった方々と想いを共有するための懇親会を行い、
    第2回「想いを伝えるカードデザイン大賞」の展示・贈賞式を終了しました。
    皆さん、ありがとうございました。