THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
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■わくわく創出部会
わくわくソリューションラボ2016【】
「今からでもやれますか?」という問いには「今からやってみてください!(やらなきゃ変わらない)」と答える北村氏。もともとグラフィクデザインのご出身で、今でも使うアプリはAdobeのIllustrator。「Webデザインをはじめるべきだとは思うけど、その一歩を踏み出せない」というグラフィックデザイナーたちを勇気づけるセミナーとなりました。
▼第一部
webをはじめた経緯
ロゴやキャラクターグッズ、印刷物などをやっていたが、その流れで「webやらないの?」のニーズに出会います。わからないことが多い中この解決方法は「とにかく作ること」。できることは限られていたので、それを明らかにしながらとにかく作り続け、結果的に北村さんは社外セミナーなどを通じて「できる仲間を作る」ことに取り組んでこられました。
webデザインのこれから
◎スキュアモーフィズム(ユーザーに馴染みのないものも馴染みあるデザインに仕上げることで理解を促進)
→◎モダニズム(フラットデザイン。シンプルな要素や図形でわかりやすさを強調)
→◎キュビスム(ポリゴンチックな立体装飾) そしてこれからは「より現実へ近づくリアルなデザイン」へと向かいます。例えば画面のデザインはビジュアル志向から脱却し、html5・環境光対応・位置情報の活用など目に見えないもののデザインが求められています。つまり「ユーザーを想像して作る時代」。 昔のwebは会社や自宅だけで見る人の環境を考えることはありませんでしたが、スマホやノートパソコンの普及で「相手がどんな環境なのか」を考える必要が出てきました。UIやUXなどは5W1Hを考えるプロセスであり、これはグラフィックデザイナーにとっては当たり前のようにやっている「得意分野」と言えます。
webデザインの特徴
Photoshopの一強時代は終わりました(Photoshopで作るのが正義ではない!)。みんなが大好きなIllustratorで作ることができます。

(特徴1)レイアウト主体
タイポグラフィや余白を考えるようになってきた
(特徴2)可変
グリッドレイアウトを取り入れている
(特徴3)モジュール化
パターン化のこと。スタイルを作ってレイアウトを埋めている

つまり、webデザインはほぼ「エディトリアルデザイン」であり、グラフィックデザイナーがそれほど不思議がるようなものではない、ということがわかります。
デザインのワークフロー
まず仕様確認を行い、コンセプト作り(ムードボード*を活用)、そしてサイトデザイン〜プロトタイピング(Adobe XDやProttなど**を活用)へと続きます。
仕様確認で重要なのは
◎スマホが先か、PCが先か(多くの得意先はパソコンを主体としがち)
:通勤途中で見ていただくものか、自宅で見ていただくものかを考える
◎レシポンシブか、エージェント切り替えか
◎作成後の更新はどうするのか
◎OSは最新版対応か、ブラウザはどれをメインとするか…
webデザインのTips(豆知識)
色、フォント、データ、アクセシビリティについてのご紹介。フォントは日本語のwebフォントが選べる時代になりました。

◎色:マテリアルパレット/カラーハンター/Adobe Color/HUE
◎フォント:FONTPLUS(有料)/Typekit(有料もアリ)/Google Fonts(無料)/M+(無料)
◎データ:SVG(Scalable Vector Graphics:スケーラブル・ベクター・グラフィックス)/アイコンフォントなど、拡大表示に対応
◎アクセシビリティ:カラーテスター(webのコントラスト比)/スクリーンリーダー(音声読み上げ)など、視覚障がいや四肢障がいに対応

また、アンチエイリアスへの配慮やレスポンシブへの対応、解像度の問題など、webデザインの「よくある惜しい!」についてもお話がありました。
▼第ニ部
質疑応答
第二部では、事前にみなさまからご提出いただいた質問と、当日出た質問に回答する形で進められました。「webはデザインしている感がない」「ディレクターはどこまでやるべきか」「デザインはwindowsとMacどちらがいいの」など、現場の素朴な声がたくさん。北村さんの制作費用感についてもぶっちゃけて発表いただくなど、リアルなお話にみなさん熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
▼第ニ部
まとめ
多様化するweb業界。情報の流れは速いので、メディア系のサイトやSNSなどで情報を入手したりセミナーに参加したり本を読んだりしながら、たとえ自分でコーディングができなくても「知識は身につけるべき」とアドバイスいただきました。技術や知識は自ら発信し、まるで「オープンソースを公開する」ように技術を発表していくとよりよい方法が見つかったりするとのことです。
また、人の作った(気に入った)デザインを写経(そのまま再現)し、「画像なのか文字なのか」「背景の色を変えてみる」などして試していくことも良いトレーニングになるといったお話もいただきました。
終盤は駆け足でもう少し時間が欲しいところではありましたが、会は19:10無事に終了となりました。
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