VRの未来に、われわれクリエイターはどう関わっていくのかVRの未来に、われわれクリエイターはどう関わっていくのか

開催日:
2018年 97日(金)

REPORT

  • 開催日 2018年9月7日(金)
  • 会場株式会社Too
  • 講師久保田 瞬氏
  • 参加者46名

わくわくソリューションラボ2018年第1回目は、「VRの未来に、われわれクリエイターはどう関わっていくのか」と題して、VR・AR・MRの情報の集約と発信、コンサルティングを中心に国内のみならず海外の最新事情まで身をもって体験している(株)Mogura代表で、MoguraVR編集⻑の久保田 瞬氏にお話しいただきました。

最初はクイズから。画像を見ながらこれは「後から合成」したものか、「リアルタイムで表示」されたものかを3問出題されました。
改めましてタイトルです。

「VRとARは何をもたらすのか。~SFではない実現する未来と2018年の状況~」

1. VR/ARとは何か

VR(仮想現実:バーチャル・リアリティ)_現実に似せた仮想の世界を作り、そこにいるような感覚を「体験」できる技術

3つの特長

  1. ① 何にも勝る「経験」による理解(教育効果):今までの視聴体験から実際に自分が 身体を動かしたり、もしくは当事者の目線で物事を見ることができる。
  2. ② これまでになく心を揺さぶられる体験(感情・感動):以前より大きな臨場感を感じられ、「感情・感動」の幅が広がる体験ができる。
  3. ③ 物理的・時間的制約からの解放(コスト削減):時間的・経済的なコストがかかる業務は、バーチャルに置き換えることで節約ができる。

AR(拡張現実:オーグメンテッド・リアリティ)_現実にないものを現実に出すことで、そこにあると思わせ騙す技術
例)ポケモンGOのような現実の映像にアバターが入ってくるような表現。実は技術的にもどんどん進歩していて、今後もより現実に馴染む世界になってくるそうです。

久保田さん曰く、VRやARは2018年現在、例えばケータイで言うところのショルダーフォンが出た時のようなレベルだそうです。2016年VR元年と呼ばれた年から着実に進歩してきてはいるし、数ヶ月単位で新しい技術が生まれてきていますが、電話をかけるだけのショルダーフォンから、iPhoneのように小さく多機能なモバイルのような状況になるまでは、ひょっとするとまだ5〜10年、アプリケーションまで含めると20年くらいかかるかもしれないとのこと。

デバイスの種類もやれることの幅により大きく3段階あり、ハイエンド(数万円〜数十万円)なのもから価格も安く手軽なローエンド(〜数千円)のものまで幅広く出ている状況。視聴覚以外のデバイスも、例えば触覚や嗅覚、変わったところではクロスモーダル現象を取り入れ満腹感を錯覚させてダイエット効果をねらうデバイスもあるそうです。また、VR市場の予測として、世界レベルでは大企業とスタートアップ企業が入り乱れている状況で、ハードウェア、プラットフォームは出揃い、今後はコンテンツやサービス分野が注目されているとのこと。市場規模は2022年には2017年の20倍近くに拡大する予想も。

2. 現在の動向

ビジネス的に伸びている分野は、産業向けやプロモーション&マーケティング分野。
事例として、買う前に家具を自分の部屋に試し置きできるIKEAのARアプリや、企業トレーニングとして行う「鉄道整備士」「医療(手術)」「不動産」「運送」「建築」「自動車」「ショッピング」「防災」などを取り上げられました(トレーニング/デザイン&プロトタイプ/レイアウト/シミュレーション/作業補助/遠隔コミュニケーション/ビジュアライゼーション/空間保存)。

コンシューマー向けでは、施設型VRとして新宿のVRZONEでのVRゲームや海外ではスターウォーズなどのVRゲームの話題、アバターを使ったVTuber(バーチャルユーチューバー)についても話されました。バーチャルキャラクターを使った動きも強くなってきているとのこと(サントリー、ロート製薬)。
その他フォトグラメトリーを駆使したVRコンテンツやVRでのLIVE配信等の最新情報についてもお話いただきました(ロケーションベースVR/VR動画/VRゲーム(一部)-ヒットタイトルの出現で判明した「裾野」/VTuber)。

3. 未来のVR/AR/MR

VRとARを分けていますが基本的にはつながった概念で、VRは現実ではないものを現実だと騙しているし、ARは現実にある場所で現実ではないものを出して騙しているので、見ているものや感じているものを変えていくことは実は同じ。MR(ミックスド・リアリティ)は上位概念で、VRとARを混ぜたものがMRで非常に幅が広く、現実とバーチャルが混ざってどちらがわからなくなるような状態がMRだそうです(現実とバーチャルが溶ける状態)。5年後、10年後はデバイスの広視野角や解像度は大幅に良くなるのはもちろん、黒く大きいゴーグルから誰でも使いたくなるスタイリッシュなウェアブルデバイスになっていくのではとのこと。今後は空間全体を使った発想が大切で、まだ誰もそれに対してのコンテンツが出てきていないので、ぜひ挑んでみるといいのではないでしょうか。と締めくくりました。

質疑応答

    1. Q VRのマーケットの中で、いつくらいにビジネスチャンスがくると思われますか。
    2. A 具体的にいつくるのかは正直わからないです。 2016年がVR元年と言われていますが、ショルダーフォンが出てようやく一般の人が買えますよという状況でした。予測的には、2020年、21年にこれなら買ってもいいというデバイスがでてくると思います。ARはまだデバイスが高価ですが、やはり2020年、21年くらいにAppleから出るのでは?と言われていて、そこがある意味スタートの年になるかもしれません。 ARは今までは二次元で見ているところから現実空間でいろいろなことができるようになっていくと思われます。今iPhone系で出ているAR機能を使ったものが沢山あるのでぜひダウンロードして試してみてください。最初は真新しさがありますが、すぐに飽きてくると思います。それくらいどう作ったらいいものができるか全くわからない世界です。今後は空間全体を使ってどういうことができるのかを考えていくことが重要なので、まずは手元で出来ることから始めていただき、試してみることが一番の近道かなと思います。 そのためにアイデアを蓄えておくことが大切だと思います。
    1. Q デザイナーとして今後VRを提案する上でどういったスキルやツールが必要なのかを教えてください。
    2. A VRの全体像や自分にとって何に役立つのかを、クライアントも理解していない場合が多いです。 まずは知ってもらう、体験してもらうことが大事です。それによりどういう事がその仕事に適切なのかを お互いに共有できるので。
    1. Q 日本でVRを作っているクリエイターや会社で著名なところを教えてください。
    2. A ゲームを作っている会社が多いです。CG系はもともと使っているツール(ゲームエンジン)にVR機能が追加されたので使い易い点があると思います。実写系だと動画の制作会社のような気がします。

これから様々な可能性が見えてくるVR/ARの世界。今はまだあのショルダーフォンの時代とは・・・。
それでもお話を聞いて近い将来、映画「マイノリティリポート」みたいなことも現実味が帯びてきたように思えます。
参加いただいたクリエイターやデザイナーの皆さんも、今後のマーケットにどう対応していくか大きいヒントをもらった講習でした。

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