
三陸鉄道カレンダー2026
宮沢賢治とイーハトーブの「いきもの」たち
来年2026年は、イーハトーブの「いきもの」たちにスポットをあて描いていただきます。各月のテーマは、賢治の物語に登場する動物や植物。賢治の物語をお読みいただき、物語の世界観を表現していただいても良し、物語から触発され、感じたことを自由に描いていただくのも良し。各月の季節感をふまえつつ、「いきもの」と三陸鉄道の車両を絡めた作品をお願いいたします。動物をデザイン的にシンボリックな表現にするのも、ファンタジー感あふれるものにするのもありです。このカレンダーを見て、楽しそうだな、いつかは三陸鉄道に乗りたいな、そう思える作品、そして毎日目にするカレンダーですので、明るく1日を過ごせそうな素敵な作品をお待ちしています。
エントリー締切 5月30日(金)
制作月の連絡 6月6日(金)予定
作品提出締切 7月25日(金)
応募資格 プロ・アマ・学生を問わず、どなたでも応募いただけます。
出品料 無料
提出物 イラスト・絵画作品(A3 ヨコのみ)原画・データいずれでもOKです。
まずはエントリー!
締切:5月30日(金)
下記の専用フォームで出品をお申し込みください。
・応募点数はお一人様2点まで可能です。
・描いてみたいと思える希望月は6点までご記載ください。
なお、描いていただく「月」は出来るだけご希望に添いたいものの、公平性の観点からあまり各月の応募数にへだたりが出ないように、最終的にはこちらで指定いたします。予めご了承ください。
制作いただく「月」の連絡は6月6日(金)を予定しています。

エントリーフォームはこちら
(注)皆様との連絡はメールで行いますので、フォーム内に記載するメールアドレスは誤りの無きよう半角英数字でご記入ください。
各月の作画テーマはこちら
上記をクリックし、各月のテーマを必ずご確認いただき、希望月をご検討ください。
[各月のカレンダーの構成について]
各月のカレンダーは、
・イラスト/ 絵画
・テーマの「いきもの」と賢治の物語等に関する説明(当協会で作成)
・賢治の物語(青空文庫 QRコード)
にて、構成・デザインします。
※なお、応募作品の内容を見てイラスト内に賢治のフレーズを入れる場合もございます。
●昨年の応募作品はこちら
https://www.oac.or.jp/kuribora/santetsu2024/result.html
[作品応募について]
● 原画での応募の場合
A3: 天地297mm(H)×左右420mm(W)にてお願いいたします。なお、今回カレンダーは壁掛け時A3で絵柄部分はA4ヨコのサイズとなりますが、ギャラリー列車運行の場合を想定しA3でお願いいたします。なお、作品は後日返却いたします。※作品原画は、こちらでデータ化します。
送付先:公益社団法人 日本広告制作協会 事務局 アワード係
〒104-0061 東京都中央区銀座1-14-7 銀座吉澤ビル9F
● データでの応募の場合
・画像サイズ : 天地297mm(H)×左右420mm(W)
・ファイル形式 : TIFF
・画像解像度 : 350dpi
・確認用PDF
データはメールでお送りください(宛先: award@oac.or.jp )
作品画像データとそのPDF データを大容量ファイル送信サービス等にてお送りください。なお、件名に 三鉄2026応募 とご記載ください。
作品締切 : 7月25月(金)
郵送は当日消印有効 、メールは当日中にお送りください。
[カレンダー採用作品の審査選考について]
三陸鉄道と日本広告制作協会にて行います。優秀作品12点(各月1点)を選考しカレンダーを制作します。
結果発表:9月中旬
カレンダーに採用された方には、直接ご連絡いたします。また採用された方には、三陸鉄道からの感謝状と完成したカレンダーをお贈りします。カレンダー販売開始予定:2025年10月初旬(三陸鉄道オンラインショップ さんてつ屋等)
[カレンダーの仕様等]
・仕上がりA4 ヨコ/中綴じ・28 ページ/カラー(壁掛け時A3)。
・作者名はカレンダー内に表記いたします。
・カレンダーのデザインは、全体構成を考え当協会で行います。
[諸権利等]
本企画は三陸沿岸のまちと三陸鉄道への応援が目的のため、カレンダーのほか、 三陸鉄道の広報・宣伝・販促活動や同社販売物に使用される場合があります。(例:過去にはポストカード・クリアファイルでの使用がございます。このような場合は、作者の方にご連絡のうえ、後日少量とはなりますが、お贈りしています)。公益社団法人日本広告制作協会(OAC)では、サイト・SNS 等で作者名・作品の発表にて使用します。ご応募いただいた作品の著作権は、OAC 並びに三陸鉄道に上記目的による利用許諾が成されたものとします。
[注意事項]
・応募作品はオリジナル作品であり、第三者の知的財産権を侵害していないものに限ります。権利侵害が判明した場合は、受賞発表後であっても受賞を取り消すことがあります。また作品内容がコンプライアンスおよび公序良俗に抵触すると判断した場合は、作品の発表を控えさせていただく場合もあります。
・選出された作品をご自身のポートフォリオやサイト、SNSなどへの掲載は自由です。なお、応募作品の公表はカレンダー販売開始時期(2025年10月頃予定)以降としてください。

各月の作画テーマについて

カレンダー制作の目的
このカレンダーをきっかけに、三陸沿線を含む岩手を旅し、それぞれのイーハトーブをみつけてもらいたい。また宮沢賢治のことを知るきっかけにしてもらいたい。そんな想いを胸に、公共機関である三陸鉄道が三陸沿線のみならず宮沢賢治の愛したイーハトーブ=岩手を応援するのが目的です。
作画上の留意点
1.賢治の物語に登場する動物や植物「いきもの」を各月のテーマとしています。まずは各月の物語をお読みいただき、また各月に記載した内容からイメージを膨らませてください。
2.各月とも三陸鉄道の車両はお描きください(大小は問いません:車両に関しては三陸鉄道サイト等でご確認ください)。
3.表現は皆さんの自由です。動物をデザイン的にシンボリックに表現にするのも、ファンタジー感あふれるものにするのも、絵本風なイメージにするのもありです。見て楽しめるものにしてください。
4.毎日、目にするカレンダーです。印象的で気持ちのいい作画をお願いします。
各月のテーマ
1月
馬
1月の賢治作品
『ま青きそらの風をふるはし』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/53384_43325.html 出典:青空文庫
古来、馬との関りが深かった岩手県。「南部曲り家」は、母屋と厩(うまや)を繋げたL字型をしています。馬を大切に育てていたんでしょうね。現在は、盛岡、遠野、花巻の文化財を見学出来ます。さて、「馬を水辺に連れていくことは出来ても、馬が水を飲むかは馬次第」(You can lead a horse to water, but you can‘t make him drink.)と言う英語のことわざがありますが、強制されるのは馬でなくても嫌なもの。自分で動き出す1年にしていきましょう。2026年は午年(うまどし)でもあります。
2月
フクロウ
2月の賢治作品
『林の底』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4437_9671.html 出典:青空文庫
賢治の「林の底」では、「「わたしらの先祖やなんか、鳥がはじめて、天から降って来たときは、どいつもこいつも、みないち様に白でした。」と、一ぴきのフクロウが語りだします。そして、トンビが染めもの屋さんになって…と、お話は続きます。さて、2026年、誰かに染められる前に、今年はこんな色にしていきたいと、自分で考えたいもの。今年を良い色に染めていきましょう。
3月
カエル
3月の賢治作品
『カイロ団長』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1918_18512.html 出典:青空文庫
賢治の『カイロ団長」ではアマガエルたちは、トノサマガエルのお店で何百杯のウイスキーを飲むのですが、お金がありません。トノサマガエルは、じゃ家来になれと様々な仕事を押し付けます。どっちもどっちな関係ですね。ちなみに岩手のトノサマガエルは、トウキョウダルマガエル(北上川水系沿い標高の低い水田地帯を中心に分布)とトノサマガエル(二戸市、一戸町、軽米町、九戸村、洋野町、西和賀町付近)。とすると、花巻の賢治がトノサマガエルとしたのは、トウキョウダルマガエルなのかもしれません。
4月
オキナグサ
4月の賢治作
『おきなぐさ』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1085_47131.html 出典:青空文庫
オキナグサは漢字で書くと、翁草。花の後にできる種に白く長い毛が出来、それを老人の髭に見立て「翁草」と呼ぶようです。賢治の『おきなぐさ』の冒頭では、うずのしゅげを知っていますか。うずのしゅげは、植物学ではおきなぐさと呼ばれますが、…そんならうずのしゅげとはなんのことかと言われても私にはわかったようなまたわからないような気がします。と、あります。当時の岩手(賢治の住む花巻辺り)では、そう呼んでいたのでしょうね。さて、この「オキナグサ」いわてレッドデータブックでは、絶滅危惧種Aランクに指定されています。
5月
ツキノワグマ
5月の賢治作品
『なめとこ山の熊』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1939_18755.html 出典:青空文庫
2020年時点での岩手県内の熊の生息数は、約3,700 頭と推定されています。熊は基本的には臆病でおとなしい性格で、植物に偏った雑食性の動物。行動範囲は広く、食べた植物の種をフンとして出すことで植物の繁殖を促すなど、生態系を支える役目も果たしていると考えられます。エサが不足する年に市街地での出没情報が増えるのは、近年山間部の人口減少などもあり、山を下りやすい環境も原因の一つと言われています。
賢治の「なめとこ山の熊」は、人と動物がお互いに生きることを考えるキッカケになるかもしれません。
6月
シカ
6月の賢治作品
『鹿踊りのはじまり』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1923_10183.html 出典:青空文庫
岩手県内の鹿の生息数は、現在約10万頭。草や木の実を食べる鹿ですが、この急激な増加でそれらも減少、またブナの実(どんぐり)の凶作など、同じく草や木の実を食べる熊が人里まで現れる一因ではないかとも言われています。なお、2023年に三陸鉄道に衝突した鹿の数は178頭。線路内への侵入を防ぐネットの設置など対策も行っていますが、2018年の約7倍となっています。なお三陸鉄道では、鹿や野生動物を見学する「ナイトジャングルトレイン」の運行で、鹿や野生動物のことを考える機会も設けています。さて岩手の伝統芸能である鹿踊りですが、賢治の『鹿踊りのはじまり』は若い賢治が、実際に観た鹿踊りから発想したようです。
7月
ヨタカ・カワセミ
物語をお読みいただき、ヨタカだけでも結構ですしカワセミを入れていただいて構いません。
7月の賢治作品
『よだかの星』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/473_42318.html 出典:青空文庫
ヨタカは「いわてレッドデータブック」のリストではCランク、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種(存続基盤が脆弱な種)とされています。ヨタカは夜行性。昼間は樹上で木のこぶのように擬態して休みます。
賢治の『よだかの星』では、冒頭に「よだかは、実にみにくい鳥です。…くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。」とあります。一方で、美しいカワセミをヨタカの弟としていますが、実際は違う種目。ヨタカは山間部を中心に生息しキョキョキョキョッと大きく鳴いて飛び回ります。
8月
ツグミ・フクロウ・ヨシキリ・カケス
物語をお読みいただき、全種類でも印象に残る鳥のみ取り上げるでも構いません。
8月の賢治作品
『よく効く薬とえらい薬』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4441_7305.html 出典:青空文庫
賢治の『よく利く薬とえらい薬』では、ツグミ・フクロウ・ヨシキリ・カケスが主人公を励ましています。なお、賢治の物語に登場する 動物の中では鳥が最も多いそうです。登山好き、そして鉱物好きで「石ッコ賢さん」と呼ばれていた賢治ですから、自然に触れる機会は多かったのでしょう。鳥も実際に観て、またその生態を調べていたのかもしれません。
9月
ライオン・シロクマ・ゾウ・キツネ・タヌキ
うまく構成して、全ての動物を描いてください。
9月の賢治作品
『月夜のけだもの』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4420_29934.html 出典:青空文庫
賢治の品『月夜のけだもの』に登場する動物たちを描いてもらいました。
え?岩手イーハトーブにライオンや象、シロクマはいないでしょうって。もちろん自然の中にはいませんが、盛岡市動物公園ZOOMOにはいます(描いていただいた動物のうち、残念ながらシロクマはいませんが)。
10月
サル
10月の賢治作品
『さるのこしかけ』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/469_19943.html 出典:青空文庫
賢治の『さるのこしかけ』では、主人公の楢夫くんがサルたちに翻弄されます。
岩手県では、北上山地の五葉山から三陸地域を中心として分布が拡大させており、奥羽山系でも生息が確認されています。 なお、ホンドサルはいわてレッドデータブックでは絶滅の危機に瀕している種とされています。
11月
リンドウ
11月の賢治作品
『銀河鉄道の夜』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html 出典:青空文庫
賢治の『銀河鉄道の夜』には、「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指して云いました。と、あります。このリンドウですが、農林水産省「花き生産出荷統計」(2022年)では、岩手県が出荷量日本一で、58.1%のシェアを誇ります。
12月
カラス
12月の賢治作品
『烏百態』 https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/53380_43255.html 出典:青空文庫
賢治の詩『烏百態(からすひゃくたい)』では、雪の田んぼの中でカラスが様々な様子を見せています。さて、2026年皆さんはどんな足跡を残してきましたでしょうか。12月もイキイキと、そして来る2027年が皆さんにとって更に羽ばたける年になりますように!
