TOP NEWS 第一回「未来を拓くニッポン・アイデアコンテスト」受賞作を発表します。

第一回「未来を拓くニッポン・アイデアコンテスト」受賞作を発表します。

2025年のテーマ


スマイル・エコ社会

日本の食品ロスは約400 万トン/ 年。家庭ゴミは約4,000 万トン/ 年。義務感だけでは環境保護は進みません・・・。

・・・エコライフに楽しさや経済的利益などが生まれるサステナブルなアイデアを求めます

みんなが自然に取り組めるエコな社会づくり。エコ生活に楽しさやお得を生む、サステナブルな提案をしてください。

エコと言っても、範囲はとても広いです。地球温暖化(温室効果ガス・二酸化炭素の排出)森林破壊・海洋汚染等の問題から、環境保全活動やエネルギーの省エネ、ゴミの削減につながるリサイクル・リユース・節水、電気やガスの節約など経済的側面もあります。そんな様々なエコですが、どうしたらみんなが自然にそれに向きあえるのか?あなたは何を自分事としてテーマにしますか。


本コンテストは、「自ら課題を見つけ、自ら解決策を考える」姿勢を育み、アイデアを通じて社会に貢献できる人材の育成を目指すものです。学生が社会課題をより“自分ごと”として捉えられるよう大括りのテーマを掲げ、最終選考では審査員の前でのプレゼンテーションも行い、アイデアの質に加えて「クリエイティブなコミュニケーション力」までを総合的に評価しました。

若い世代ならではの視点や柔軟な発想は、既存の常識にとらわれない新しい価値を生み出します。今回設定したテーマ「スマイル・エコ社会」は、環境問題を“半径5m”の生活圏から捉え直し、「楽しさ」「お得感」「共感」などポジティブな行動変容につながる提案を期待したものです。84点の応募から書類審査を通過した6チームが最終選考に進み、オンラインでプレゼンテーションを行いました。

発想の背景や課題分析、創意工夫に溢れた解決策、そして“どう伝えるか”までを丁寧に考え抜いた姿勢は、審査員一同に強い印象を残すものとなりました。プレゼンテーションを経たことでアイデアの核心がより立体的に伝わり、参加者からは「コミュニケーションの重要性に気づいた」という声も寄せられています。「良いアイデアをどうすれば相手に届けられるか」という問いに向き合った経験自体が、彼らの大きな成長につながりました。

若い挑戦者たちが“自分ごと”として社会課題に向き合い、未来に向けて紡いだアイデアの数々を、ぜひご覧ください。

最終選考審査委員

名久井貴詞(OAC理事長/審査委員長)

宇垣 恵一(OAC専務理事)

梶原 鉄也(OAC常務理事/株式会社東京グラフィックデザイナーズ)

西川 肇 (株式会社博報堂プロダクツ)

小林 史朋(株式会社東京アドデザイナース)

<協賛> 公益社団法人日本アドバタイザーズ協会

<後援> 文部科学省

eぺんら

学習院女子高等科

杉山奈々瀬 鈴木杏南

審査委員講評
名久井貴詞
おめでとうございます。まず、プレゼンテーションに驚かされました。最初の“髪の毛を振り回す”導入も非常にインパクトがありましたし、提案内容も身近でシンプルで、今回の「半径5m」というテーマにも合っていました。
若い発想ならではの“常識にとらわれない元気さ”が、アイデアそのものの強さにつながっていたと思います。細かい数字は覚えられませんでしたが(笑)、小さな工夫によって電池廃棄を減らし、それをみんなの喜びにつなげている点がとても素晴らしいと感じました。改めておめでとうございます。

宇垣恵一
おめでとうございます。プレゼンテーションも評価対象でしたが、その点でも一番印象に残りました。
「考えつきそうで現実にはない」というのは、まさにアイデアの本質です。そのポイントをしっかり押さえていたことが受賞の決め手になりました。素晴らしかったです。

梶原鉄也
おめでとうございます。先ほども申し上げた通り、本当に“この一点”につきます。推し活のエネルギー、いわばドーパミンのエネルギーが、そのままエコにつながっていくという発想に心を動かされました。
身近でありながら、新しい視点をしっかり提示できていた点が非常に良かったと思います。おめでとうございます。

西川 肇
皆さんがおっしゃった通りですが、「こんなところにこんなアイデアがあったんだ」という意外性が素晴らしいと感じました。聞けば簡単に思えるけれど、誰も思いついていなかった。その点が高く評価できました。
身近なエコにつながり、気軽に使えるという点でも良いアイデアだと思います。これ、欲しいですね。おめでとうございます。

小林史朋
募集要項には「半径5m」だけでなく、「発想の出発点は自分ごと」というポイントがありました。皆さんの提案はまさにそこが強く、等身大の体験をエネルギーに変え、それを魅力的に表現していました。
発表も含め、熱量がまっすぐ伝わってきました。本当におめでとうございます。

受賞者コメント 

鈴木杏南

今回選んでいただき、本当にありがとうございます。他の大学の皆さんの面白いアイデアや、審査員の三上さんがお話しされていた銭湯の課題解決の事例などを聞いて、科学技術だけでなく、広告のように“ポジティブな楽しさ”から問題を解決するアプローチもあるのだと知りました。将来はそうした領域にも挑戦していきたいと思いました。ありがとうございます。

杉山奈々瀬

私の方からも、本当に素敵な賞をいただき光栄です。今回の「スマイルエコ社会」というテーマは、以前から感じていた「環境問題はなぜネガティブに語られがちなのか」という疑問に向き合うきっかけになりました。ポジティブな解決策を考えるプロセス自体、とても勉強になりました。三上さんのお話にもありましたが、広告には課題に対して前向きな解決策を探る力があり、とても魅力的な業界だと感じました。今後もいろいろな分野に興味を広げ、頑張っていきたいです。

ぬいぐるみ回収サービス Hug Loop

HAL 名古屋

世古真鈴 与那原陸 山田和生 小倉向葵

審査委員講評
梶原鉄也
與那原さん、瀬古さん、山田さん、小倉さん、おめでとうございます。先ほどの質疑の際にもお話ししましたが、この企画は非常に“よく分かる”アイデアでした。近年の断捨離ブームの中で、ぬいぐるみに対する強い愛着や手放しにくさは多くの人が共有しているテーマで、その感情に丁寧に向き合った点がとても良かったです。
システムとしての分かりやすさに加え、プレゼンテーションそのものにも温かさがあり、提案の背景にある“気持ちを大切にしたい”という姿勢が明確に伝わってきました。今後の展開も楽しみにしています。おめでとうございました。

受賞者コメント 

世古真鈴

この度は準グランプリをいただき、ありがとうございます。企画を考える際、もっと複雑な仕組みや環境面の要素も検討しましたが、最終的に“気持ちの問題”こそが一番手前にある課題だと気づき、この形になりました。
ぬいぐるみ以外でも、“気持ちを乗り越えれば解決に向かうこと”はたくさんあると感じました。今後も人の気持ちを大切にしながら、デザインを通じて問題に向き合っていきたいと思います。ありがとうございました。

スマイルサイクルプロジェクト

法政大学

加納羽花 荻野依那 岸本小夏 黒岩咲良

審査委員講評
名久井貴詞
四名の皆さん、おめでとうございます。プレゼンテーションを拝見して、特に二つの点で驚かされました。一つは、高齢者と使い古したテニスボールという意外な組み合わせが自然につながっていたこと。もう一つは、それが大学で学んでいる内容と結びついていた点です。
さらに驚いたのは、その発想がカームダウンルーム、そしてインドというグローバルな課題へと展開していったことです。私自身もインドの“カオス”を知る者として、そこまで視野に入れていることに驚きました。Z世代は海外にあまり積極的でないという印象もあったのですが、それを軽やかに飛び越えていて、日本の未来はまだまだ明るいと感じました。素晴らしいプレゼンテーションでした。

受賞者コメント 

受賞者代表

このプロジェクトは、老人ホームのおばあさんたちとの交流から生まれました。皆さんがとても生き生きしているのに、ネガティブな言葉を口にする場面があり、その違和感が最初の気づきでした。
授業で得た知識を活かしながら教授に提案し、取り組みを進めてきましたが、まさにそれが“自分ごと化”だったのだと思います。自分たちが高齢者になった未来を想像するきっかけにもなり、とても学びの多い経験でした。このような機会をいただき、ありがとうございました。

水分量で色が変わり、水切り不足を”見える化”するごみ袋

関西大学

今村彩乃

審査委員講評
宇垣恵一
今村さん、おめでとうございます。書類審査の段階からずっと気になっていた作品でした。今回の「半径5mから考える」というテーマに対して、非常に身近なところから着想を得ている点が素晴らしいと思います。
水切りの構造や、色が変わるインクの閾値など、さらに詰めればもっと魅力が増すはずです。インクの技術は私たちの得意分野でもありますので、疑問点等あればぜひ相談してください。とても良いアイデアでした。おめでとうございます。

受賞者コメント 

今村彩乃

この度は賞をいただき、ありがとうございます。大学で広告・広報の課題解決に取り組んできたこともあり、今回、一人で何か形にしたいと思って挑戦しました。一つの案をまとめるのに時間もかかり、何度もやり直しましたが、最終的に発表までたどり着けて良かったです。
いただいたご指摘を踏まえて、今後の学びにつなげていきたいと思います。ありがとうございました。

「#2week節水チャレンジ」SNS連動企画

HAL 名古屋

シマダ龍 金城遥

審査委員講評
西川 肇
お疲れさまでした。どのアイデアも甲乙つけがたい中、限られた時間の中で審査員同士も議論を重ねました。その中で、SNSという誰もが気軽に参加できるツールを環境問題の解決に結びつけた点が特に良いと感じました。
すでに生活の一部になっているSNSを、ポジティブな行動変容に活かす発想が素晴らしかったです。金城さん、島田さん、おめでとうございます。

受賞者コメント 

受賞者代表

この度は賞をいただき、本当にありがとうございました。課題に取り組む中で「エコとは何か」を改めて考える機会になり、自分たちの行動も見直すことができました。
SNSを通じて、幅広い世代に社会貢献の輪が広がったことも嬉しく思います。今後も、このような活動や企画に積極的に取り組んでいきたいです。ありがとうございました。

サツマイモの茎葉と地域資源を活用した循環型農法

新潟大学

片桐貴洋 五十嵐遼

審査委員講評
小林史朋
書類審査の段階から、サツマイモの茎葉という“見落とされがちな部分”に着目したことが印象的でした。その先がアフリカへとつながるという、スケールの大きい発想も素晴らしいと思います。
大きなプロジェクトとして脈々と取り組みが続いていることも伝わり、またコンポジット素材への応用など、今後の発展の可能性にも大いに期待を持ちました。取り組みがどんどん広がっていくことを願っています。おめでとうございます。

受賞者コメント 

受賞者代表

本日は貴重な発表の機会をいただき、ありがとうございました。審査員の皆さまからのコメントや質問で、改善すべき点や新たな視点を得ることができました。これらを活かしてプロジェクトをさらに発展させ、いつか実際に社会に還元できる形にしていければと思います。ありがとうございました。

未来を拓くニッポン・アイデアコンテスト 

結果発表・講評(52分44秒)はこちら

審査された皆さんの講評やプレゼンを行った学生の皆さんの感想などをお聞きください。

未来を拓くニッポン・アイデアコンテスト 

プレゼンテーション(審査員との質疑応答を含む全バージョン1時間20分49秒)はこちら

次回プレゼンをご検討の皆さんは、最終プレゼンに残った際はこのように進んでいくことをご確認ください。

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